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特集 ヘルスリテラシーの視点から考える意思決定支援
対象別の意思決定支援
AYA世代がん患者の意思決定支援
津村 明美
1
Akemi TSUMURA
1
1認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト/がん看護専門看護師
pp.396-401
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango31_396
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はじめに
近年,がん医療の現場では,患者が自らの価値観に基づいて治療や療養のありかたを選択する「意思決定支援」の重要性が強調されている.そのなかで,患者がよりよい意思決定を行うための基盤として,「ヘルスリテラシー」という概念が注目されている.ヘルスリテラシーとは,健康や医療に関する情報を入手し,理解し,評価し,活用する力を指す.
とくに,AYA(adolescent and young adult)世代のがん患者は,進学,就職,恋愛,結婚,妊娠・出産といった人生の大きな転機の時期に,がんという重大な出来事を経験する.そのため,治療選択は単なる「病気を治すための選択」ではなく,「これからの人生をどう生きるか」という問いと深く結びついている.
一方で,AYA世代はインターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通して大量の医療情報に触れる機会が多く,情報過多による混乱や誤解,不安を抱えやすい.治療のメリットやデメリット,生殖機能への影響,将来の生活設計など,考慮すべき要素が多岐にわたるなかで,短時間に判断を迫られることは,患者にとって大きな心理的負担となる.
看護師は,患者が情報に振り回されることなく,自分自身の価値観に基づいて納得のいく選択ができるよう支援する重要な役割を担っている.本稿では,ヘルスリテラシーの視点からAYA世代がん患者の意思決定の特徴と課題,看護師の役割について整理したうえで,妊孕性温存をめぐる一事例を通して,支援のありかたを検討する.

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