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はじめに
気象条件がヒトの健康状態や疾患発症に影響を及ぼすことは古くから知られており,近年では気温,気圧,湿度,日照時間などの気象要因と各種疾患との関連について,疫学的・生理学的観点からの検討が進められている.とくに成人領域では,循環器疾患や呼吸器疾患,精神症状などにおいて,気象変化が発症や増悪の契機となり得ることが報告されている.一方,小児は発達途上にあるという点において,成人とは生理的背景が異なり,「小児は小さな大人ではない」と表現されるように,気象に対する反応も成人とは異なる可能性がある.しかしながら,小児領域において気象と疾患との関連を系統的に整理した報告は限られており,どの疾患でどの程度の関連が示唆されているのかについては,必ずしも十分に共有されていないのが現状である.
小児において気象と関連が比較的明確に示されている疾患群としては,感染症および気管支喘息があげられる.これらの疾患群では,気温や湿度,日照時間といった気象要因が流行や増悪と関連することが複数の研究で報告されている.一方で,その他の小児疾患についても気象との関連が示唆される報告は散見されるものの,その多くは症例数や検討に限界があり,明確な結論に至っていない.
本稿では,小児における気象と疾患の関連について,これまでに報告されている知見を概説する.まず,感染症および気管支喘息について,気象との関連が比較的明らかとなっている点を整理する.次に,その他の疾患について,現時点で関連が示唆されている報告を紹介する.さらに,気象が疾患発症や症状に影響を及ぼす可能性について,筆者らが検討している小児の夜尿症と気象の関連を例に取り上げ,今後の研究課題について考察する

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