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研究室から
脳のSlice
高垣 玄吉郞
1
1慶大生理
pp.238-239
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905825
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- Abstract 文献概要
組織HomogenateよりSliceの方がより生理的条件に近いものであり,実際に組織内に起つている反応を決定しようとするのに役立つ。このことは一般に信ぜられている所であるし,そのこと自身正しいことであろう。しかし,一歩立ち入つて如何なる点で生理的条件に近いのか,組織内の反応を決定するのに役立つと考える根拠はどこにあるのか,を検討して見るとそう簡単には済まない問題を含んでいる様である。
Sliceでは細胞め大部分は破壊されていないと言われる。果してそうだろうか。他の臓器組織については知らないが,我々が用いている脳Sliceについて,その組織像を検討して下さつた当学解剖学教室の飯沼助教授はこんな脳組織は見たことがないと言われた。組織は死んで了つていることは勿論だし,生理的条件には及びもつかないとも言われた。ただ感心して居られたのは,かみそりの刃でfree-handで切つた切口が非常に鋭利であることと,我々が経験的に厚み0.35mmと言つているのが可成り正確に一定していることであつた。しかしこの死んで了つているSliceもWarburgの容器中でブドー糖を与えて振盪していると,1時間以上に亘つて一定の呼吸を行つている。Homogenateと異つて別に補酵素を補ってやらなくても,ブドー糖はGlycolysis→Krebs Cycleと完全酸化をうけているのである。
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