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特集 今知っておきたい認知症診療—専門医×プライマリ・ケア医で築くこれからの現場力
【All about Dementia】
治療総論
認知症治療のアップデート
和田 健二
1,2
,
秋山 真樹
1,2
1川崎医科大学高齢者医療センター
2川崎医科大学認知症学教室
キーワード:
Alzheimer病
,
症状改善薬
,
抗アミロイドβ抗体
,
アジテーション
,
診断後支援
Keyword:
Alzheimer病
,
症状改善薬
,
抗アミロイドβ抗体
,
アジテーション
,
診断後支援
pp.728-731
発行日 2026年7月15日
Published Date 2026/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360070728
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- 参考文献 Reference
●認知症診療は「新たなステージ」へ
かつての認知症の治療は、ドネペジルに代表されるコリンエステラーゼ(ChE)阻害薬やN-メチル-
D-アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬による「症状の進行抑制(緩徐化)」が主軸であった。神経脱落が起きたあとの残存機能をいかに効率よく活用するかを目的とした、いわば対症療法が中心であった。しかし、2023年以降、レカネマブやドナネマブといった抗アミロイドβ(Aβ)抗体薬1, 2)の登場により、診療のパラダイムは大きく変化した。これらは、軽度認知障害(MCI)の段階において、脳内のAβを除去し、Alzheimer病(AD)の病態そのものの進行を遅らせる治療である。また、ブレクスピプラゾール3)は、2024年にAlzheimer型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する過活動または攻撃的言動に対し、国内で初めて適応を取得した。これにより、認知症の行動・心理症状(BPSD)に対する薬物療法も新たな段階に入った。
このように、認知症診療は近年、2つの歴史的マイルストーンに到達したと言える。今、診療医に求められているのは、これらの「新しい治療」を適切に選択・評価し、そしていつ次のステップ(ケアや看取り)へ移行するかを判断する現場力のアップデートである。本稿では、AD治療を中心に解説する。

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