Japanese
English
今月の主題 唾液と汗
技術解説
唾液中の薬物濃度の測定
西原 カズヨ
1
Kazuyo NISHIHARA
1
1東京大学医学部附属病院薬剤部
pp.961-970
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913061
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臨床における薬物濃度モニタリング(TDM)において唾液を用いる意義は次の二点がある.第一に,フェニトインなどでは唾液中濃度のほうが血漿中総濃度よりも容易に血漿中の蛋白質非結合形(free)濃度を推定できることから,薬物の効果を判断するのに便利である.第二に,唾液の採取は採血に比べて患者に苦痛を与えず,いつでもどこででも簡単に行える.
反面,現在TDMが行われているすべての薬物が唾液中に排泄されるわけではなく,唾液中に排泄される薬物でも唾液中濃度/血漿中濃度(Cs/Ct)値に個人差があるもの,個人内でも採取ごとに唾液流量や唾液pHの変化などによってCs/Ct値に大きな差を生じるものがある.後者では唾液pHの測定が必須である.さらに唾液採取に当たっては,薬物の口内残留,種々の唾液分泌の促進方法,採取後の唾液pHの変化などによって正確な値が得られないことがある.

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