Japanese
English
症例
多発性十二指腸潰瘍の中の1個が穿通して惹起された胆嚢十二指腸瘻形成症例
Cholecystoduodenal Fistula Caused by Penetrating Duodenal Ulcer
対馬 甫
1
,
小野 不二男
1
,
小野 慶一
2
Hajime TSUSHIMA
1
,
Keiichi ONO
2
1弘前大学医学部松永内科
2弘前大学医学部槇外科
pp.814-819
発行日 1964年6月20日
Published Date 1964/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203361
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はじめに
胆道が周囲組織特に腸管の一部と癒着し,とくに腸管内腔に穿孔して瘻孔を形成することは古くから知られた事実であり,特発性内胆道瘻として外国文献には数多くの報告例を見る.しかるにかかる瘻孔形成の本邦における報告はX線診断例,手術例および剖検例を合せても未だ25例を数えるに過ぎない.これらの病因の過半数は胆石症を主とした胆道系疾患に求めうるものであつて,一次的に消化管潰瘍が存在し,それが胆道系に穿孔して起つた瘻孔形成症例は,自験例を含めてわずかに5例を数えるに過ぎない.元来十二指腸潰瘍の穿孔自体が,現在においてはまれにしか見られないものであり,山形1)によれば十二指腸潰瘍患者の1.5%であるという.従つて消化管潰瘍に基因する胆道瘻形成例に遭遇することはかなりまれなものと考えねばならない.
われわれはレ線検査により「十二指腸潰瘍の胆嚢への穿孔による胆嚢瘻」なる診断を下し,手術によつてこれを確かめえた症例を経験したので,ここに報告すると共に収集した本邦における胆嚢消化管瘻の報告例をも合せて本症に関する総括的考察を加えた.

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