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連載 嗅覚と作業療法の接点—情動・記憶・運動をつなぐ嗅覚の力・第2回
嗅覚刺激療法(嗅覚リハビリテーション)の最前線と神経科学的根拠
奥谷 文乃
1
Fumino Okutani
1
1高知大学(耳鼻咽喉科)
pp.653-659
発行日 2026年7月15日
Published Date 2026/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540600070653
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嗅覚がリハビリテーションに適す理由
1.感覚機能のリハビリテーション(ニューロリハビリテーション)
脳血管疾患等,中枢神経系の疾患はニューロリハビリテーションが代表的な治療となることが多い.その理由は,ニューロンや筋細胞のような興奮性細胞は他の細胞に比べ,いったん壊死に陥ると再生が非常に難しいからである.
ニューロリハビリテーションによる失われた神経機能の改善・回復のメカニズムは,シナプス可塑性であることが知られている1).すなわち,もともと機能を担っていたニューロンを再生させるのではなく,シナプスに可塑的な変化を誘導することである.具体的には,これまであまり機能をしていなかったニューロンに神経線維を発芽させて新たにシナプスをつくらせる,あるいはもともと存在していたシナプスの伝達機能を増強させることであり,それが永続することを可塑性と称する.

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