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特集 脊椎脊髄の解剖・機能・代謝画像アップデート
代謝イメージング—MR spectroscopy・CEST
Metabolic Imaging: MR Spectroscopy and CEST
栂尾 理
1
Osamu TOGAO
1
1佐賀大学医学部放射線医学講座
1Department of Radiology, Faculty of Medicine, Saga University
キーワード:
磁気共鳴画像
,
MRI
,
化学交換飽和移動
,
CEST
,
MRスペクトロスコピー
,
MR spectroscopy
Keyword:
磁気共鳴画像
,
MRI
,
化学交換飽和移動
,
CEST
,
MRスペクトロスコピー
,
MR spectroscopy
pp.1001-1008
発行日 2026年10月25日
Published Date 2026/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120390101001
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はじめに
磁気共鳴画像(MRI)で複数の変性椎間板がみられたとき,実際の疼痛源はどこなのか.脊髄のT2強調像に明瞭な高信号が現れる前に,不可逆的な神経障害を捉えることはできないのか.日常診療でしばしば直面するこうした問いに,形態画像のみから答えることは難しい.代謝イメージングは,組織の「形」ではなく,その背景にある基質分子や細胞代謝の変化を可視化する.Chemical exchange saturation transfer(CEST)は,プロトンの化学交換を利用して特定の分子群を画像化し,MR spectroscopy(MRS)は,局所組織の化学成分をスペクトルとして分離・評価する.これらの手法により,形態変化に先行する椎間板基質の変化,疼痛に関連する酸性代謝物の蓄積,脊髄における軸索障害やグリア反応を捉えられる可能性がある.本稿では,椎間板のグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan:GAG)を標的とするgagCEST,疼痛椎間板の生化学的特徴を評価する椎間板MRS,ならびに脊髄の神経軸索,グリア,膜代謝を評価するMRSを取り上げる.各手法の原理と代表的な研究を整理し,早期診断,治療対象の選択,手術高位の決定,予後予測にどのように結びつく可能性があるかを概説する.ただし,これらの指標のみで診断が完結するわけではなく,形態MRI,そのほかの定量MRI,臨床所見と統合して解釈することが重要である.

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