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特集 クローン性造血
Ⅰ.クローン性造血を含む体細胞変異
意義不明のクローン性造血におけるgermline variantの役割—GWASから理解する造血幹細胞クローン選択の分子基盤
Germline variants in clonal hematopoiesis(CHIP):insights into hematopoietic stem cell clonal selection from genome-wide association studies
牧島 秀樹
1
Makishima Hideki
1
1信州大学学術研究院医学系医学部血液・腫瘍内科学教室
キーワード:
意義不明のクローン性造血
,
CHIP
,
生殖細胞系列バリアント
,
germline variant
,
ゲノムワイド関連解析
,
GWAS
,
造血幹細胞
,
クローン競合
Keyword:
意義不明のクローン性造血
,
CHIP
,
生殖細胞系列バリアント
,
germline variant
,
ゲノムワイド関連解析
,
GWAS
,
造血幹細胞
,
クローン競合
pp.201-205
発行日 2026年6月15日
Published Date 2026/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770030201
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意義不明のクローン性造血(clonal hematopoiesis of indeterminate potential;CHIP)は,明らかな造血器腫瘍や血球数の異常を伴わないにもかかわらず,造血幹細胞由来の体細胞変異クローンが一定割合以上で検出される状態として定義される。次世代シークエンス技術の発展により,CHIPは高齢者において極めて高頻度に認められることが明らかになり,当初は加齢に伴う確率的現象として理解されてきた1)。しかし近年,喫煙,抗腫瘍薬治療,炎症,職業,代謝性疾患などがその背景にあることが指摘されている2)(図1)。また,CHIPは骨髄系腫瘍の発症リスク上昇のみならず,心血管疾患,感染症重症化,全死亡率上昇とも関連することが示され,全身疾患の基盤となる病態としても注目されている1)。
前述の背景因子に加え,大規模集団を対象としたゲノムワイド関連解析(genome-wide association study;GWAS)により,CHIPの成立には体細胞変異の偶発的獲得だけでなく,生殖細胞系列(germline)に規定された遺伝的背景が重要な役割を果たすことが明らかになってきた3,4)。本稿では,最近エビデンスが蓄積されつつあるCHIPに関連するgermline variantを中心に,その分子機構,進化的背景,臨床的意義について概説する。

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