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特集 おさらい消化器疾患—あなたの知識をブラッシュアップ
Column
蛋白漏出性胃腸症
佐藤 義典
1
1聖マリアンナ医科大学消化器内科学
pp.1206-1207
発行日 2026年7月10日
Published Date 2026/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990630081206
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
私がレジデントのころである.PHSが鳴り,下痢,低アルブミン血症の重症患者さんが入院となり,私が担当医になると上司から告げられたのは平日の夕方であった.前日は忙しい当直で眠れない一晩を過ごしたが,日中は一転して穏やかで,「今日はこのまま帰れるかもしれない」と,そんなことを考えていた.しかし,そんな日に限って重症患者さんが来院するものである.レジデント生活は甘くない.病棟で対面すると,患者さんはぐったりしており,1日2Lにも及ぶ大量の水様性下痢を認めた.循環血液量減少性ショックの状態であり,まず中心静脈ルートを確保し,バイタルを立て直した.その一方で,原因検索へと意識を切り替えた.こうして,この瞬間から私と蛋白漏出性胃腸症の格闘が始まったのである.
蛋白漏出性胃腸症とは,血漿蛋白,特にアルブミンが消化管腔内へ異常に漏出し,その喪失量が肝臓での合成を上回ることで低蛋白血症,低アルブミン血症をきたす症候群である1).消化管からの蛋白喪失は非選択性であり,アルブミンのみならずγグロブリン,トランスフェリン,脂質,リンパ球なども同時に漏出する.主な症状は,浮腫,下痢,腹痛などである.また,本症は多様な基礎疾患に起因する病態であり,原因疾患の同定が治療戦略の根幹をなす.原因は多岐にわたるが,病態機序として,消化管粘膜上皮の異常,リンパ管系の異常,血管透過性亢進の3つに大別される(表1).また,一部の疾患ではこれらの要因が重複して関与する.
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