投稿論文 症例研究
脱フュージョン・エクササイズの介入手法が強迫症状に及ぼす効果
岩本 佳那絵
1
,
久保 浩明
2
,
境 泉洋
3
,
平野 羊嗣
4
1医療法人 望洋会 鮫島病院
2宮崎大学医学部 臨床神経科学講座 精神医学分野
3宮崎大学教育学部
4宮崎大学医学部 臨床神経科学講座 精神医学分野
キーワード:
強迫症
,
精神強迫行動
,
脱フュージョン
,
曝露反応妨害法
,
Acceptance and Commitment Therapy
Keyword:
強迫症
,
精神強迫行動
,
脱フュージョン
,
曝露反応妨害法
,
Acceptance and Commitment Therapy
pp.73-82
発行日 2026年2月5日
Published Date 2026/2/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt52010073
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強迫症(OCD)では,不快侵入思考への安全確保行動として「〜だから大丈夫」と頭の中で繰り返す精神強迫行動がみられ,曝露反応妨害法(ERP)の阻害要因となる。強迫観念と精神強迫行動はいずれも思考の形式をとるが,前者は不安を喚起し,後者は不安回避行動として機能が異なる。近年,思考への囚われを弱める手法として,Acceptance and Commitment Therapy(ACT)の脱フュージョン・エクササイズ(EX)の有効性が示されるが,EXの種類により効果が異なる可能性がある。本研究では,精神強迫行動が強くERPが停滞するOCD患者に,ERPと「侵入思考に接触しないマインドフルネスEX」「侵入思考への接触を伴う脱フュージョンEX」「侵入思考への接触に加え,主体的に行動を選択する脱フュージョンEX」を導入し,思考への囚われと強迫症状への効果を検討した。強迫症状(Y-BOCS)の推移をTau-Uにより分析し「侵入思考への接触に加えて,思考に支配されず行動選択する脱フュージョンEX」のみで有意な強迫症状の改善が認められた。強迫症患者に対し,強迫観念との接触を維持しつつ,主体的に行動を選択する脱フュージョンEXを同時併用することで,強迫観念と精神強迫行動の随伴性が弱まり,ERPの目的とする不安への曝露効果が発揮される可能性が示唆された。

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