特集 精神療法における治癒とは
精神療法における治癒とは―表現療法から
山中 康裕
1
1京都ヘルメス研究所
pp.682-685
発行日 2024年10月5日
Published Date 2024/10/5
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今回の北西憲二先生による特集は「治癒論」である。〈治癒がもたらされた時〉というのは,最も嬉しく,かつ,とても好ましい時であるが,そうそうザラに転がっていることではないし,すぐに起こってくることもありえない。実に重要なテーマだが,難しい。
しかし,わざわざ筆者に要請されての,常々筆者が標榜している「表現療法」からの寄稿となるわけで,とても嬉しいご指名だ。
筆者が,「表現療法」と称している療法の内包は,基本的には,絵画・箱庭・音楽・小説・俳句・書・論評など,あらゆるジャンルの「表現されること」で人格の陶冶を成し遂げたもののセラピー事例であり,その治癒像は,当然ながら,その表現法によっても各々違い大幅なスペクトルをなす。
ここでは,二つの治癒像を提示してみたい。

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