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特集 精神療法における治癒とは
家族療法における治癒像
岩井 昌也
1
,
中村 伸一
2
1錦糸町クボタクリニック
2中村心理療法研究室
pp.662-666
発行日 2024年10月5日
Published Date 2024/10/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt50050662
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はじめに
家族療法は,個人の内面的な問題や症状,問題行動などを,家族や家族を含む文脈の中で理解し援助していく心理療法である。家族療法は,von Bertalanffy(1968)の一般システム理論やWiener Nのサイバネティクス理論(自動制御理論)(Wiener, 1948)の影響を受けており,家族を一つの有機的で自律的なシステムとみなして,家族や家族を取り巻く人間関係,環境とのかかわりにアプローチしていく。個人療法がクライエントの主訴に応じて感情や認知,行動,劣等感や傷つき,恥などのクライエントの内的世界を治療の対象とするのに対して,家族療法では家族が持ち込む主訴を解決することを一つの目標としつつも,本質的には家族の関係性を治療の対象とする。そのため,問題解決を求めてきた家族が抱く治療へのイメージと家族療法の治療プロセスが一致していないように見えるかもしれないが,治療のプロセスを経ると結果として問題解決にたどり着く,ということが家族療法では起こるのである。
このような家族療法において,「治癒」とはどのような状態になることを指すのだろうか。本論では代表的(かつ古典的)な家族療法理論を4つ紹介し,それぞれの治療目標を挙げ,家族療法における「治癒」について考察をしていきたい。

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