特集 26ケースで学ぶ臨床心理アセスメント――インテークとフィードバックをつなぐ〈スキル7〉
検査――検査選択+テストバッテリー
野田 昌道
1
1北海道医療大学
pp.23-28
発行日 2025年8月30日
Published Date 2025/8/30
DOI https://doi.org/10.69291/cp25070023
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1 はじめに
心理検査を用いたアセスメントを行う場合,身を置く臨床現場や主たる対象者などによって,よく使われる心理検査には違いがあるだろう。しかし,療育手帳や障害年金の申請などの行政関連目的で心理検査を行う場合を除けば,どの領域であっても,ほとんどの場合,心理検査は複数組み合わせて使われているのではないか。多角的アセスメント(Multimethod Assessment)の重要性・必要性は今やほぼすべての心理職の共通認識になっており,心理検査を用いるときも,当然のこととしてバッテリーを組み,対象者を多面的に理解しようとしているだろう。したがって,おそらく本小論に書かれていることは特段目新しいものではないと思われる。
しかも,筆者の心理検査体験には偏りがある。筆者は長く家庭裁判所を臨床の舞台とし,その後,大学教員に転じて主たる臨床の場は大学付属の相談センターとなったが,いずれも心理検査の選択や用い方に関しては,比較的,自由裁量性が大きい環境である。そのため,筆者には,全領域をカバーできる包括的なテストバッテリー論を展開するだけの経験知はない。いきおい,この小論はテストバッテリーをめぐる筆者の断想をつづったものにとどまる。それでも,この雑感のなかで,どの領域にも共通する,あるいは通底する理念を示すことができていれば幸いである。

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