今月の主題 内科医のための小児診療のコツ
小児診療のコツ
臨床検査の選択のコツ
月本 一郎
1
1東邦大学医学部・第1小児科
pp.1294-1295
発行日 1990年8月10日
Published Date 1990/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900321
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ほとんどすべての病気の診断は,日常行われている詳細な問診と診察所見から決定されるものである.しかしながら,臨床検査がしばしば病気の診断に決定的な支持を与えるために,私たちは必要以上に検査結果にたよる傾向がある.医学書の疾病の項目を見てみても,検査の部分が過剰に取り扱われている傾向にある.病院の中央検査室や一般診療所への検査センターの出張サービスは,多くの検査項目の結果を早急に検査伝票のチェックのみで報告してくれる.
一般には多くの無用,無目的,無評価の検査が行われ過ぎていると思われる.検査は小児患者に苦痛と恐怖感を与え,侵襲による危険を伴い,親の経済的負担および医療費を高騰させるものである.検査は,これらを上回る効果がある時のみに実施すべきである.
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