論評
医療DXとインボイス制度が実現する『ステルス・ゼロ税率』への転換【構想編】~カナダ方式を応用した「日本型Rebateシステム」による損税問題の抜本的解決~
津留 英智
1
1社会医療法人水光会 宗像水光会総合病院 理事長
pp.6-13
発行日 2026年8月11日
Published Date 2026/8/11
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO3008003
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要旨 四半世紀にわたって膠着する医療の「控除対象外消費税(損税)」問題は、物価高騰や国策の医療DX投資等により経営を圧迫する臨界点を迎えた。現行の基本診療料等へのマクロ上乗せ方式は全体平均に基づくため、国の政策に呼応し投資する医療機関ほど損税負担が重くなるという構造的パラドックスを抱える。 本論文は、他分野への波及を遮断しつつ損税を解消する防波堤として、カナダの「公共サービス団体還付(PSB Rebate)」制度に着目する。過去は実務の複雑さから導入が頓挫したが、インボイス制度や電子レセプト等の医療DXシステムを連動させることで計算・申請は自動化され、克服可能な状況が整った。 財務省が懸念する税収減に対しては、「現行上乗せ分の完全返上(税収中立)」と「還付金使途の地域医療インフラ維持や人的投資等(借入金返済含む)の特定基金化」等をバーターとして提示し、医療提供体制を持続可能にする抜本的改革を提言する。

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