論評
諸外国における医薬品不足報告制度(下)―ドイツ、フランス、英国、欧州連合
亀池 彩乃
1
,
坂巻 弘之
2
1一般社団法人医薬政策企画P-Cubed・東和薬品株式会社
2一般社団法人医薬政策企画P-Cubed
pp.12-20
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2938004
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(「上」から続く) 4 ドイツ ⑴供給の義務と供給情報提供の義務の扱いとそれぞれの根拠法 薬事法(AMG:Arzneimittelgesetz, 2024年改正)に基づき、製薬企業(pharmazeutische Unternehmer)と医薬品卸売販売業者(Arzneimittelgroßhandlungen)は、医薬品の適切かつ継続的な供給の確保が義務付けられている40。本法の対象企業は、ドイツ当局によって承認されている企業、あるいは欧州共同体(EC:European Communities)または欧州連合(EU:European Union)が、「規則2004/726/EC第3条第1項と第2項」に従って販売を許可している企業である。また、製薬企業は医薬品卸売販売業者の需要に基づき、卸売販売業者は薬局の需要に基づき、原則すべての医薬品について、平均2週間分の在庫を確保しなければならないこととされる41。一方、入院治療のための処方薬の「流通上の不足」(後述)が判明した場合、直ちに病院に通知しなければならない42。 また、製薬会社、製造業者(Hersteller)および医薬品卸売販売業者は、連邦保健省(BMG:Bundesministerium für Gesundheit)の下部組織である連邦医薬品医療機器研究所(BfArM:Bundesinstitut für Arzneimittel und Medizinprodukte)から要請を受けた医薬品について、その供給状況をBfArMに報告しなければならない43。
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