連載 母と子の試聴室
ドイツ・フランスのオペラ
横山 太郎
pp.47
発行日 1967年1月1日
Published Date 1967/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203331
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今日残っている最古のオペラは,1600年にフィレンツェで上演されたペーリという人の作曲した「エウリディーチェ」であるといわれています.当然オペラの試みはそれ以前からもされていたわけで,オペラというのはルネッサンスの中で生れた新しい音楽形式だということができます.
17世紀の半ばには,オペラの波はイタリアの諸都市からフランス,ドイツ,イギリスなどにつたえられ,それぞれ国民的な特徴をもつようになります.18世紀,19世紀といった古典派やロマン派音楽の中でオペラは重要な役割を果し,ことに国民音楽として(「ウイリアムテル」や「タンホイザー」など)あるいは文学と音楽との結合として,さらには近代リアリズムの担い手として,数々の名曲が生みだされてきました.
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