特集 内科専門医制度をさぐる
フランスの内科専門医制度
土屋 雅春
1
1慶大内科
pp.1252-1255
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201453
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フランスの内科学
フランスの医学はドイツやアメリカのそれとは異なつて,日本人にはなにか親しめないという人が多い。実際に留学してみると,なにもそんなに変わつたことはない。ドクターという世界各国共通の連帯意識によつて,すぐ親しめ,少しの差別もなしに臨床にも基礎的研究にも従事することができる。
留学してすぐ気づくことは標題のごとき"内科専門医"はないことである。あちらのドクターと話合うとき,君のspecialit6(専門)は何か?とたずねられる。このとき,うつかり内科学だと答えると,唖然とした顔をされ,しばらくの後にはいささか軽視した態度が見られるようになる。内科学とか内科医という言葉はpractice generale(基本)に属し,少なくとも専門とはcardiologieとかendocrinologieとかgastro-enterologieまたはpneumo-physiologieとかgieのつく内科学のうちの分科を意味するものだからである。
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