論評
諸外国における医薬品不足報告制度(上)―米国、カナダ、オーストラリア
亀池 彩乃
1
,
坂巻 弘之
2
1一般社団法人医薬政策企画P-Cubed・東和薬品株式会社
21)一般社団法人医薬政策企画P-Cubed
pp.20-26
発行日 2024年8月21日
Published Date 2024/8/21
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2937005
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Ⅰ 序論:近年、わが国において、原薬調達や製造体制の問題、感染症の流行等による需要拡大などにより、医療用医薬品の欠品や回収、出荷調整等が発生し、医療の安定的な提供に支障を来す事案が多く発生している。医薬品不足は、世界的な問題といえる。2022年5月、OECDより各国の供給不足の状況と対策に関するワーキングペーパー1が発行された。本報告書では、14か国の医薬品不足の状況を比較しており、不足要因の複雑さから、国際的な制度の調和や多面的な戦略が必要であることを示している。また本報告書によれば、わが国は医薬品供給状況のモニタリングシステムが構築されていない国の一つであり、これも含めて、わが国の医薬品不足対策は立ち遅れているといわざるをえない。そこで、OECD主要国・地域において医薬品供給および不足に関する企業による報告(情報提供)義務と、その法的根拠、報告義務の対象医薬品と報告システムなどを明らかにすることとした。
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