特集 心不全パンデミック時代の新しい診療知を求めて
治療 進歩著しい心不全治療の現在
急性心不全の治療戦略
常見 勇太
1
,
水野 篤
1
1聖路加国際病院循環器内科
キーワード:
▶急性心不全の初期対応では,呼吸・循環の安定化を最優先とし,必要に応じてNPPV/CPAPを早期に導入する.
,
▶末梢灌流,うっ血を組み合わせたNohria-Stevenson分類やバイタルサインや身体所見に基づき,病態に応じて治療方針を迅速に判断する.
,
▶低灌流やショックをきたす重症例では,昇圧薬・強心薬に加え,VA-ECMOやImpellaを含む補助循環を適切なタイミングで導入する.
,
▶高血圧を伴う急性肺水腫では,血管拡張薬とNPPVの併用によりうっ血改善と挿管回避を図る.
,
▶利尿薬は反応性に応じて増量し,うっ血を確実に解消することが再入院・死亡リスク低減に直結する.
,
▶循環が安定すれば,β遮断薬・RAS阻害薬・MRA・SGLT2阻害薬などGDMTを積極的に導入する.
,
▶SGLT2阻害薬は急性期導入が可能で,再入院抑制に寄与する.
,
▶退院前にうっ血を完全に解消し,GDMTを可能な範囲で開始することが長期予後を改善する.
,
▶退院後1~2週の早期フォローアップで再評価・薬剤調整を行うことが再入院予防に極めて重要である.
,
▶実地医家は,利尿薬調整・セルフケア支援・増悪時の紹介基準(症状悪化,体重増加,BNP上昇等)を明確に共有し,地域連携を強化する.
Keyword:
▶急性心不全の初期対応では,呼吸・循環の安定化を最優先とし,必要に応じてNPPV/CPAPを早期に導入する.
,
▶末梢灌流,うっ血を組み合わせたNohria-Stevenson分類やバイタルサインや身体所見に基づき,病態に応じて治療方針を迅速に判断する.
,
▶低灌流やショックをきたす重症例では,昇圧薬・強心薬に加え,VA-ECMOやImpellaを含む補助循環を適切なタイミングで導入する.
,
▶高血圧を伴う急性肺水腫では,血管拡張薬とNPPVの併用によりうっ血改善と挿管回避を図る.
,
▶利尿薬は反応性に応じて増量し,うっ血を確実に解消することが再入院・死亡リスク低減に直結する.
,
▶循環が安定すれば,β遮断薬・RAS阻害薬・MRA・SGLT2阻害薬などGDMTを積極的に導入する.
,
▶SGLT2阻害薬は急性期導入が可能で,再入院抑制に寄与する.
,
▶退院前にうっ血を完全に解消し,GDMTを可能な範囲で開始することが長期予後を改善する.
,
▶退院後1~2週の早期フォローアップで再評価・薬剤調整を行うことが再入院予防に極めて重要である.
,
▶実地医家は,利尿薬調整・セルフケア支援・増悪時の紹介基準(症状悪化,体重増加,BNP上昇等)を明確に共有し,地域連携を強化する.
pp.552-555
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.43.04_021
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
急性心不全は呼吸不全や循環不全を伴う救急疾患であり,受診直後からの迅速な病態評価と適切な初期治療が予後に直結する.急性期の治療は,Nohria-Stevenson分類に従ってバイタルサインや身体所見を統合的に把握し,病態に応じて治療方針を柔軟に組み立てることが求められる.また近年は,従来の安定期治療としての薬物療法が急性期でも積極的に導入されるようになり,再入院抑制と長期予後改善へつなげる取り組みが重視されている.本稿では,実地臨床における急性心不全の治療戦略について,最新のエビデンスと臨床実装の視点を踏まえて概説する.

Copyright © 2026 Bunkodo Co.,Ltd. All Rights Reserved.

