特集 脳血管障害
セミナー 脳卒中の病態・診断・診療体制に関する最新の話題
高血圧性脳出血の動向
田中 亮太
1
1自治医科大学内科学講座神経内科学部門
キーワード:
▶脳出血は高血圧による細動脈硬化と血管壁の破綻により発症する.
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▶脳出血の発生率は減少しているものの,予後不良例は増加傾向にあり,後遺症を抱えた脳出血後の患者が増えている.
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▶適切な降圧治療が脳出血一次予防に重要であるが,脳出血発症前の未治療高血圧やコントロール不十分な高血圧症例が多い.
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▶JSH2025を踏まえた適切な降圧治療の実践が求められる.
Keyword:
▶脳出血は高血圧による細動脈硬化と血管壁の破綻により発症する.
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▶脳出血の発生率は減少しているものの,予後不良例は増加傾向にあり,後遺症を抱えた脳出血後の患者が増えている.
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▶適切な降圧治療が脳出血一次予防に重要であるが,脳出血発症前の未治療高血圧やコントロール不十分な高血圧症例が多い.
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▶JSH2025を踏まえた適切な降圧治療の実践が求められる.
pp.54-58
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.43.01_012
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はじめに
脳出血は脳卒中全体の約20%を占め,その多くは高血圧に伴う細動脈硬化を基盤として脳血管が破綻し,脳内に出血をきたす.出血部位に応じて多彩な臨床症状を呈する.脳出血は降圧薬治療の普及により発症率は減少しているものの,脳梗塞における静注血栓溶解療法や機械的血栓回収療法のように科学的根拠に基づく有効な急性期治療が限られているため,依然として重症度が高く,予後不良な疾患である.近年は人口高齢化に伴い発症年齢が上昇し,発症前の抗血栓薬内服や認知症などの併存疾患,さらには脳アミロイド血管症cerebral amyloid angiopathy(CAA)に起因する脳出血が増加していることから,正確な診断と適切な治療の重要性が一層高まっている.もっとも,脳出血は高血圧の適切な管理によって発症リスクを減少させうる「予防可能な疾患」であることも事実である.最新の知見を踏まえて効果的な対策を講じることは,健康寿命の延伸に不可欠である.

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