特集 虚血性心疾患
治療 様々な病態を示す冠動脈疾患に対する治療update
虚血性心疾患の新しい脂質・糖尿病管理
皆月 隼
1
1東京大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
▶IHDは脂質異常症や糖尿病と深く関連する.
,
▶IHD二次予防での脂質管理は“strike early strike strong”の下,早期にLDL-C<70mg/dLを達成する.
,
▶スタチン+エゼチミブで目標値未達成の場合はPCSK9阻害薬を考慮する.
,
▶糖尿病は非糖尿病の心筋梗塞既往と同等の心血管リスクを持つ.
,
▶SGLT2阻害薬は血糖コントロールに加え,心不全・腎保護にも有効である.
,
▶心不全でのSGLT2阻害薬の心保護作用は左室駆出率を問わない.
,
▶GLP-1受容体作動薬は心血管複合エンドポイントを改善する.
,
▶実臨床では消化器症状に注意する必要がある.
Keyword:
▶IHDは脂質異常症や糖尿病と深く関連する.
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▶IHD二次予防での脂質管理は“strike early strike strong”の下,早期にLDL-C<70mg/dLを達成する.
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▶スタチン+エゼチミブで目標値未達成の場合はPCSK9阻害薬を考慮する.
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▶糖尿病は非糖尿病の心筋梗塞既往と同等の心血管リスクを持つ.
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▶SGLT2阻害薬は血糖コントロールに加え,心不全・腎保護にも有効である.
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▶心不全でのSGLT2阻害薬の心保護作用は左室駆出率を問わない.
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▶GLP-1受容体作動薬は心血管複合エンドポイントを改善する.
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▶実臨床では消化器症状に注意する必要がある.
pp.1565-1569
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.10_021
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はじめに
虚血性心疾患ischemic heart disease(IHD)は,依然としてわが国の主要死因であり,その罹患・死亡の予防は臨床上極めて重要な課題である.IHDの発症には,脂質異常症や糖尿病といった代謝性疾患が強く関与しており,それらの管理は予防と治療の両面で重要な意義を持つ.近年,PCSK9阻害薬やナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬,グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬といった新規薬剤の登場により,脂質・糖代謝管理に対するアプローチは大きく進展した.本稿では,これらIHD二次予防における脂質・糖尿病管理に加え,新規薬剤のエビデンスを概説する.

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