特集 がん検診とリスク層別化検診の課題
セミナー② リスク層別化検診の課題
重喫煙者を対象とした肺がん低線量CT検診は受容可能か?
宮澤 仁
1
1国立がん研究センターがん対策研究所検診研究部
キーワード:
▶重喫煙者への低線量CT肺がん検診プログラムが各国で新規導入されている.
,
▶検診導入前に,市民の受容可能性については検討されていなかった.
,
▶米国では導入後の受診率が伸び悩み,市民の受容性も課題が残っている.
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▶英国では導入前後で市民の受容可能性の検討が進んでいる.
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▶市民の受容可能性や検診受診に「肺がんにまつわる偏見(スティグマ)」が影響している.
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▶これまでのサービスを変更する場合,実装解除の影響を考慮する必要がある.
Keyword:
▶重喫煙者への低線量CT肺がん検診プログラムが各国で新規導入されている.
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▶検診導入前に,市民の受容可能性については検討されていなかった.
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▶米国では導入後の受診率が伸び悩み,市民の受容性も課題が残っている.
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▶英国では導入前後で市民の受容可能性の検討が進んでいる.
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▶市民の受容可能性や検診受診に「肺がんにまつわる偏見(スティグマ)」が影響している.
,
▶これまでのサービスを変更する場合,実装解除の影響を考慮する必要がある.
pp.1417-1421
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.09_022
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はじめに
重喫煙者への低線量CT肺がん検診[LDCT(low-dose computed tomography)検診]のエビデンスが蓄積され,各国で肺がん検診の新規導入が進んできている.この検診は重喫煙者のみに高価で精度の高い検診を提供することで肺がん死亡を減らすというコンセプトだが,健康意識が低い重喫煙者が好意的に受けとめ受診してくれるか? また,対象外である非喫煙者が不公平に思わないのか? という市民レベルの受容可能性については,公的サービスとして導入するにあたって重要な資料である.ここではLDCT検診の受容可能性について各国で行われた調査を振り返り,市民の受容可能性について考えていきたい.

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