History 筋ジストロフィー医療発展の歴史
筋ジストロフィーの治療研究の歴史(5) ―DMDに対するステロイド治療―
鈴木 友子
1
,
武田 伸一
2
1国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所 遺伝子疾患治療研究部細胞治療研究室長
2国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所 名誉所長/産学連携顧問
キーワード:
グルココルチコイド
,
筋ジストロフィー
,
炎症
,
免疫抑制
,
筋萎縮
,
転写調節
,
NF-κB
,
ステロイド
Keyword:
グルココルチコイド
,
筋ジストロフィー
,
炎症
,
免疫抑制
,
筋萎縮
,
転写調節
,
NF-κB
,
ステロイド
pp.50-55
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0119.02.02_0050-0055
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グルココルチコイドはデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)患者の歩行可能な期間を2~3年延長し,呼吸機能,心機能低下や側弯症の進行を抑制し,生命予後を改善するとされる.2013年には国内で薬事承認を受け,『デュシェンヌ型筋ジストロフィー診療ガイドライン2014』に掲載されて以降,標準的治療として広く処方されている.しかし,グルココルチコイドには広範な生理作用があり,長期投与により副作用(低身長,骨粗鬆症・骨折,満月様顔貌,皮膚の菲薄化,多毛,耐糖能異常,肥満,白内障,高血圧,不整脈,多動・イライラ感,免疫不全など)が生じる.副作用を減らした新規ステロイドが開発中であるが,好ましい作用を残し,副作用を除いた理想的な薬剤が処方される日が訪れるだろうか.「KEY WORDS」グルココルチコイド,筋ジストロフィー,炎症,免疫抑制,筋萎縮,転写調節,NF-κB,ステロイド
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