特集 大規模災害時の食と住に関する感染制御と予防衛生
1.自然災害後の感染症に対する健康危機管理の課題―イタリアと日本との比較―
木村 龍介
1
,
藤本(佐藤) 友香
2
,
高田 美羽
3
,
林 由里子
4
,
木村 博一
4
1群馬県衛生環境研究所
2東京医療保健大学医療栄養学科臨床検査学専攻
3群馬パース大学大学院保健科学研究科
4群馬パース大学大学院保健科学研究科/群馬パース大学附属研究所
pp.4-12
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.09.01_0004-0012
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天然痘,ペストやインフルエンザなどは,人類の歴史において繰り返し出現・流行し,社会の根幹を揺るがしてきた1,2).また,直近における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(Pandemic)は,多くの国において,国家制度から社会文化に至るまで多大なる影響を及ぼしたことは記憶に新しい.これらのことから考えると,パンデミックは,自然由来の大きな災害という意味で,自然災害の一種とみなすことはできる.しかし,感染症の制御には社会的システムの特性や人々の行動が大きく影響するため,学術的には公衆衛生上の危機として位置づけられることが多い.その一方,地震や台風による自然災害の直後に発生する衛生環境の悪化や劣化を起点とした感染症の流行,すなわち災害後感染症は,深刻かつ二次的健康被害をもたらす可能性がある

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