特集 過去3年間の新型コロナウイルス感染症の総括と今後の対策
4.COVID-19サーベイランスの数値の見方
森兼 啓太
1
1山形大学医学部附属病院検査部部長・病院教授/感染制御部部長
pp.22-28
発行日 2023年12月22日
Published Date 2023/12/22
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.07.01_0022-0028
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どのような疾患であっても,その発生頻度や患者の年齢層・基礎疾患などを把握することが,疾患制御への方向性を定めるために不可欠である.これらを把握するのが,疾患の疫学調査である.疫学調査には,研究を目的として詳細な情報を期間・対象地域等限定で収集する場合と,公衆衛生施策として最小限の情報を長期的に収集する場合がある.後者のような活動を,通常サーベイランスと呼ぶ.感染症以外の疾患は,多少の季節性変動や長期的な増減はあるものの,おおむね定常的に発生する.しかし感染症は伝播する疾患であり,定常的な発生頻度をとることが少なく,「流行」という他の疾患にはない現象を有するのが特徴である.したがって,感染症の対策として常時サーベイランスが行われることが必要である.
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