特集 ノロウイルス研究の最前線
5.ノロウイルス制御とHACCP
森田 幸雄
1
1東京家政大学家政学部栄養学科教授
pp.31-36
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.01.01_0031-0036
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2016年(平成28年)の食中毒発生件数および患者数は1,139件,20,252名で,そのうちノロウイルス(Norovirus:NoV)によるものは各々354件(31.1%),11,397名(56.3%)である.NoVによる食中毒は発生件数,患者数ともに第1位である.2012年以降の患者数500名以上の大規模食中毒事例を表1に示す.2012年以降,今日まで14件発生しており,そのうち8件はNoVによるものである.このように,NoVによる食中毒は食品衛生学上,制御しなければならない病原体である.ヒトに感染性のあるNoV はヒトにのみ感染する1).よって,NoV汚染の可能性のある食品の制御法を知ることや食品取扱者の衛生管理や教育訓練など,HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point,危害要因分析重要管理点)を導入した衛生管理が,NoVを含む食中毒を防止するうえで効果がある1,2).
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