One-point Lesson
第2回「抄録の書き方」
清水 千佳子
1
1国立国際医療研究センター病院がん総合診療センター乳腺・腫瘍内科 診療科長
pp.66-67
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.02.02_0066-0067
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「抄録とは」 学会報告や学術論文投稿の折に,「抄録」を書く必要があります。改めて「抄録」とは何でしょうか?ちなみにインターネット辞書で「抄録」の意味を調べると「[名](スル)原文から必要な部分だけを書き抜くこと。抜き書き。」1),「(名)スル 一部分をぬいて書きとめること。ぬきがき。抜粋。『雑誌の論文を―する』」2)などと書かれています。要は,抄録とは,論文から(もしまだ書かれていない場合には,論文を想定したうえで)の抜き書きなのですね。学術論文を書くときには,研究の一連の流れのなかで,論理の整合性が求められます(論文に求められる,というより,論文自体は研究の結果の報告なわけで,そもそも研究自体に計画段階から構造的な論理性が求められているということになります)。なので,私見ではありますが,論文の抜き書きたる抄録は,必然,ロジックの塊でなくてはならず,基本的に,よい抄録とは,論理の首尾一貫性のある抄録だと考えます。そのうえで,新規性,研究の質,その後の研究や臨床に与えるインパクトをアピールできるかどうかが(そして学会企画や学術誌の編集方針が),採択に影響します。
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