若手ドクターの広場
日常の診療で感じること―依存症とは人間関係のもたらす病である―
西村 光太郎
1
1久里浜医療センター精神科
pp.46-47
発行日 2020年1月30日
Published Date 2020/1/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.08.01_0046-0047
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私が依存症の治療に携わるようになって早6年目になります。その間に多くのアルコール依存症およびギャンブル依存症患者さんを診察させていただき,患者さんにはそれぞれにさまざまな背景があるということがわかってきました。彼らの人生は百人居れば百様です。人生の9割以上を仕事に費やし,いつしか家族を背後に置き去りにしてしまい退職後の人生にはお酒という友人しかいなくなった方,仕事で異動になったら転勤先では心を癒してくれるものが何もなく,気が付けばアルコールこそが唯一の楽しみになってしまった方,幼少時から家庭は修羅場であり,ゆえに生きることの苦しみを癒すためにはお酒に依存するしかなかった方など,アルコール依存症の方それぞれにお酒に耽溺した理由があります。
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