特集 依存症の公衆衛生
依存症患者と家族の関係
梅野 充
1
1東京都立精神保健福祉センター
pp.87-92
発行日 1999年2月15日
Published Date 1999/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902026
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精神保健の現場(保健所,保健福祉センター,保健相談所,精神保健福祉センターなど)で依存症(物質乱用,「中毒」,「嗜癖」)問題はそのまま家族問題に他ならない.少なくとも筆者の周辺ではそう捉えられているし,その点を看過して相談・治療を行おうとしている施設は見あたらない.これは「依存症の原因は家族にある」といったこととは違い,家族全体を対象として捉えた上で介入を考えない限りは有効な対策とはならないことを意味している.本稿ではまず「依存症」という言葉についてまとめた上で,東京都立精神保健福祉センター(以下,当センター)における依存症関係の相談事業(アルコール関連問題相談および薬物関連問題相談)を紹介し,この事業を通してみた依存症と家族との関係と介入について私見を示し,依存症対策として家族への対応の重要性を述べたい.
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