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新生児動脈管開存症に対する新たなカテーテル治療
杉山 央
1
1総合病院 聖隷浜松病院小児循環器科主任医長
pp.7-12
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.12.02_0007-0012
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心臓カテーテル治療の歴史は,1966年にWilliam J. Rashikindによる完全大血管転位症の乳児に対する心房中隔裂開術から始まる1)。その後,動脈管開存症(patent ductus arteriosus;PDA)に対するカテーテル治療法が開発され,臨床に用いられるようになった。小児PDAは,出生体重が2.5kg以下の低出生体重児を除き,ほぼカテーテル治療による閉鎖のみで根治が可能で,小児PDAの小さい動脈管にはコイル,やや太い動脈管にはAMPLATZER™ Duct Occluder(ADO)とADOⅡが使用される。低出生体重児PDAはプロスタグランジン阻害薬により手術を回避できる例が多いが,薬物抵抗性PDAに対して開胸による動脈管結紮術に替わる新しいカテーテル治療機器の開発が望まれてきた。2020年4月に日本で初めて,PDAを有する700g以上の低出生体重児・新生児向けの低侵襲性の経カテーテル治療機器であるAMPLATZERピッコロオクルーダー(図1)が臨床導入・保険適応された。今回は,総合病院 聖隷浜松病院小児循環器科主任医長の杉山先生に,PDAを有する700g以上の低出生体重児・新生児に対するAMPLATZERピッコロオクルーダーを用いたカテーテル治療の現状と今後の展望をうかがった。
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