講座 感染症とワクチン
【Ⅱ】風疹および先天性風疹症候群と風疹ワクチン
杉下 知子
1
Chieko SUGISHITA
1
1東京大学母子保健
pp.499-504
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206117
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風疹は,わが国の場合,7〜8年の周期で幼児から学童にかけて大流行を起こす,小児期の軽症ウイルス感染症である.ところで,本症が先天異常の原因となりうることが明らかとなって以来,妊婦の風疹感染の重大さが認識され,妊婦が風疹にかからないようにするための対策,すなわちワクチンの開発と研究,検査法の開発,抗体保有状況の調査,先天性風疹症候群(Congenital Rubella Syndrome:CRS)の診断や発生頻度調査など多面的な研究が世界的に繰り広げられてきた.ここでは最近の研究成果を紹介しながら,CRSをも含めてその動向を紹介する.
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