ドライアイベストリサーチアワード受賞論文解説
ドライアイベストリサーチアワード受賞者決定
渡辺 仁
1
1関西ろうさい病院眼科部長
pp.26-27
発行日 2019年4月29日
Published Date 2019/4/29
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.14.01_0026-0027
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今回は,2018年のドライアイリサーチアワード,その3名のなかでもベストリサーチアワードに輝いた京都府立医科大学の北澤耕司先生の論文のご紹介である。北澤先生のご自身による論文解説では,内容について一般の眼科の先生にも容易に理解できるように書かれている。PAX6遺伝子は,ホメオボックス遺伝子で眼球形成には不可欠の遺伝子で,この遺伝子異常によりaniridiaが生じることは広く知られている。このaniridiaではPalisades of Vogt(POV)が消失,同時に角膜上の上皮は結膜上皮が覆われていることを考えると,角膜上皮が角膜上皮たる特性を獲得するには,このPAX6遺伝子の発現が深く関連していることは容易に想像できる。そうしたことから,北澤先生らはPAX6遺伝子をノックアウトさせた角膜上皮細胞を樹立させ,その樹立した角膜上皮の発現特性を検討することで,角膜上皮の分化とPAX6遺伝子との関連を明らかにしようとした。
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