ドライアイベストリサーチアワード受賞論文解説
ドライアイベストリサーチアワード受賞者決定
渡辺 仁
1
1関西ろうさい病院眼科部長
pp.30-31
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.11.01_0030-0031
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これまでも京都府立医科大学眼科では木下茂名誉教授,外園教授および上田先生を中心にStevens-Johnson症候群(SJS)の病因解明,またその治療法について多くの新しい知見が明らかにされてきており,今回の受賞は当然,いや遅すぎた感さえある。SJSではある一定以上の炎症が生じるとほぼ全例といっていいほどドライアイが生じるが,それは単なるドライアイではない。SJSでは永続的な炎症を伴い,眼表面上皮を破壊し,そのため上皮欠損が継続,視力を大きく脅かす。場合によっては生命をも脅かすものだけに,そうしたSJSの研究成果の社会的意義は大きい。また,私の記憶が正しければ,SJSが,特に軽度で初期である場合,初発が結膜炎ということもあり,その重症疾患の初めての医療機関が眼科であるという可能性を考えると,我々眼科医もそれを見逃さず早期発見につなげられることにも注意したい。
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