DEBATE ON GI THERAPY ディベート
日常診療でのプロバイオティクスの使用 「積極的に使用すべき」という立場から/「現時点では安易に使用すべきでない」という立場から
内藤 裕二
1
,
福井 広一
2
1京都府立医科大学消化器内科学 准教授
2兵庫医科大学消化器内科学 准教授
pp.69-81
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.16.02_0069-0081
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腸内細菌叢研究における画期的な成果が発表され,腸内環境に対する臨床医の注目が集まっている。しかし,これまでの日常診療において,プロバイオティクスの機能性,特に腸内環境改善作用は今ほど注目されてはいなかった。腸内細菌叢の概要が遺伝子解析技術により明らかとなり,ヒト個体の細胞数以上に存在する100兆個を超える細菌叢がどのような機能を有し,どのようにして宿主との共同生命体を形成しているかを理解することは,健康増進対策のヒントとなるだけでなく,疾病の予防・治療に向けた重要な研究領域となっている。今回のディベートでは,「日常臨床においてプロバイオティクスを積極的に使用する」という立場で,プロバイオティクスの基礎,医療用医薬品としてのプロバイオティクスの現状,疾患ガイドラインにおける位置づけ,プロバイオティクスを用いて世界中で展開されるヒト臨床試験の現状など,可能な限り客観的データを紹介し,私の務めを果たしたい。●本企画は問題点をクローズアップすることを目的としており,テーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論であり,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
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