診療controversy medical decision makingのために 高齢者高血圧症例の血圧コントロールレベル
積極的な立場から
林 晃一
1
,
脇野 修
,
徳山 博文
1慶応義塾大学 医学部内科
キーワード:
疫学
,
危険因子
,
血圧
,
降圧剤
,
高血圧
,
心臓血管疾患
,
高齢者
,
基準値
,
診療ガイドライン
,
多施設共同研究
Keyword:
Antihypertensive Agents
,
Aged
,
Cardiovascular Diseases
,
Blood Pressure
,
Epidemiology
,
Hypertension
,
Risk Factors
,
Reference Values
,
Multicenter Studies as Topic
,
Practice Guidelines as Topic
pp.985-988
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008196548
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高齢者高血圧患者では、各臓器の自動調節能が障害されており、急激な降圧はすべきでないとされている。一方、ゆっくりとした降圧により自動調節能が回復するため、積極的な降圧が臓器障害を抑制する可能性がある。最近わが国で行われたJATOS研究では、140mmHg未満の降圧と140~160mmHgへの緩徐な降圧とでは心血管事故の発生に有意差を認めず、75歳未満ではむしろ140mmHg未満の降圧がよいとする結果が得られた。したがって、高齢者における血圧管理は、臓器障害などを考慮して厳格な血圧コントロールの適応を決めることが妥当ではないかと考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2008