MESSAGE FROM EDITOR エディターズ・メッセージ
第25回 新内科専門医制度と地域医療
杉山 敏郎
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1北海道大学病院先進消化器がん分子標的治療・予防学研究部門特任教授
pp.66-67
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.13.01_0066-0067
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数年前から日本内科学会理事を務めている関係上,進行中の専門医機構を中心とした新内科学会専門医制度設計,特に新内科学会専門医のありかたなどに関わることが多く,硬いテーマではあるが,今回のエディターズメッセージとして,その概略と問題点を述べてみたい。新内科学会専門医は,これから専門医を取得する若い世代の医師にとっては喫緊の問題ではあるが,この改革は運用を間違えると,10数年前に始まり,良い意味での医局制度を崩壊させ(多くの良識のある教授は医局員,個々人の能力と各病院の地域医療への貢献に配慮してバランスを持って調整し,地域医療を支えていた。もちろん地域医療を全く考えない例外的な教授もいたが),これらの調整機能をそぎ,実質的に地域医療を破滅させ,かつ,一部の大都市の有名医学部,巨大国立大学への初期研修医集中を招き,地方大学との「質的格差」を拡大させた,研修医制度の変更と同様の変革をもたらしかねない。
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