目でみるシリーズ 画像でみる緑内障の病態
第13回 緑内障の新しい網膜内構造変化
小川 俊平
1
1東京慈恵会医科大学眼科学講座 講師
pp.1-8
発行日 2019年8月30日
Published Date 2019/8/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.00.58_0001-0008
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近年の眼科分野における画像検査の発展は著しい.特に光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)の発展は,高速化による高解像度化や広角化,血管造影(angiography)など,枚挙にいとまがない.加えて画像技術と人工知能(AI)を組み合わせた自動診断や診断補助が今まさに現実のものとなってきており,これからの診療はこれらの新しい技術により確実に変化していく.これに反して緑内障の根本的な病因や原因に対する理解はいまだに十分とはいえない.近年のOCTの進歩から緑内障に特有もしくは正常と比べて高頻度で認められる,PRS(peripapillary retinoschisis),hypodense of of the RNFL,paravascular defect,microcystic macular edema(inner nuclear layer microcyst)などの新しい網膜内構造変化が発見されている.新たな構造変化を観察することは,緑内障の病因や進行様式などに新たな知見が提供される可能性がある.本稿ではPRSを中心に,これらの新しい構造変化をご紹介したい.
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