特集 若き産婦人科医へのメッセージ
産婦人科基礎研究の意義
武谷 雄二
1
1東京大学名誉教授 医療法人社団レニア会アルテミスウイメンズホスピタル理事長
pp.19-24
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.30.04_0019-0024
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臨床と研究に携わる研究医(physician scientist)が激減している。この背景には診療に必要な知識,技術の習得に時間を要する,初期臨床研修の義務化,専門医制度の取得などにより基礎研究に従事する機会が減ったことが考えられる。一方基礎的研究手法,技術の高度化,基礎研究者の関心が医学研究に向けられるようになり,臨床医が基礎領域に関わりにくくなった。従来の意味での研究医は減ったが,あたかも研究者のような観察力で診療を行うことは臨床医に必須であり,さらに臨床部門で完結する基礎研究も可能となった。直接基礎の研究室で仕事をしなくてもresearch mindをもった医師が明日の医学の進歩の推進者となる。
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