薬の臨床
産婦人科領域でのSP1測定とその臨床的意義
広橋 武
1
,
星野 明生
1
,
佐藤 芳昭
1
,
竹内 正七
1
Takeshi Hirohashi
1
1新潟大学医学部産婦人科学教室
pp.159-163
発行日 1983年2月10日
Published Date 1983/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206765
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1971年Bohn1)は妊婦血清と胎盤をRivanol処理することにより妊娠現象と密接な関係を有する4種類の蛋白物質を抽出した。1つはhPLであり他の3つをSP1,SP2,SP3と命名した。このうちのSP1は妊娠特異性のβ1—glycoproteinであり分子量約9万で,hCGと同様にsyncytiotrophoblastで産生されることがのちに証明された(Horneら2))。
近年その生物学的意義や胎盤機能および絨毛性疾患のmarkerとして注目されてきている。従来,SP1の測定法としてはsingle radial immunodiffusion (SRID)法が比較的その測定手法が簡単なため一般に普及してきたが,SRID法では低濃度の測定に限界があり,そのため妊娠初期妊婦あるいは絨毛性疾患患者などにおける血清SP1濃度の測定には不十分であった。しかし1976年Stevensら3)によりSP1の低濃度測定法としてradioim—munoassay (RIA)法が確立された。今回SP1 radioim—munoassay test kit (ヘキスト社)を試用する機会を得たので妊婦血清および悪性腫瘍患者血清中のSP1濃度を測定し,その動態と臨床的意義について検討した。
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