今月の主題 不整脈診療の実際
各種領域における不整脈診療の特殊性
弁膜症と不整脈診療
諸岡 成徳
1
1獨協医科大学越谷病院・循環器内科
pp.82-83
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220183
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心臓弁膜症は多種類の不整脈を併発するが,他の心疾患によるものと本質的な差があるわけではない.しかし弁膜症では主病変が心内膜にあり,弁障害で起こる血行動態異常が主病像を形成する.この点,虚血性心疾患など心筋病変が主な疾患とは経過が異なり,不整脈の対策も多少の差がある.
心房は血行動態負荷により内圧上昇や内腔拡大が起こり,上室性不整脈,とくに心房細動が頻発する.心室は負荷が大きいときや長年に及ぶとき,心室筋に2次的障害が起こり心不全を発症する.この場合心室性不整脈も起こるが,ジギタリス薬などで治療されていることが多く,薬剤による不整脈にも注意を要する.
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