特集 ロボット手術の新たな展開
多元計算解剖学とロボット手術
大内田 研宙
1
1九州大学病院消化管外科 診療准教授
キーワード:
多元計算解剖学
,
ロボット手術
,
NOTES
,
ナビゲーション
,
microsurgery
Keyword:
多元計算解剖学
,
ロボット手術
,
NOTES
,
ナビゲーション
,
microsurgery
pp.49-54
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.04_0049-0054
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計算解剖学は,主に人体の医用画像の客観的な理解を深めるために,正常成人の臓器構造を統計的に記述した「計算解剖モデル」を構築し,そのモデルを実際の医療現場で応用することを目指した医用画像と情報学が融合した学問であった。しかしながら,従来の計算解剖学は,大量データの数理統計が比較的容易である高精細な3次元情報に基づくCT画像に依存していた。一方,近年の医用イメージング技術の進歩に伴い,CT画像のみならずMRI画像,PET画像,シンチグラフィー画像など,さまざまな医療機器由来の画像の重要性が増し,さらに病理画像や消化管内視鏡画像,腹腔鏡画像,気管支鏡画像,膀胱鏡画像など,臨床で利用される静止画だけでなく動画も含めたさまざまな画像に対しても計算解剖学を拡張していく必要が生じてきた。そのため,同一症例におけるさまざまな画像情報を最大限に有効活用することが臨床上重要であり,橋爪らが新たに立ち上げた多元計算解剖学では,すべての臨床画像を①空間,②時間,③機能,④病理の4つの軸を中心に多元化することで,包括的に人体の理解を深めることが可能となっている(図1)。さらに,この多元計算解剖学においては,多元情報の包括的な個別モデルの構築だけではなく,すべての多元情報を「多元計算解剖モデル」としてシームレスに融合させることにより,個別の画像理解にとどまらない人体の総合的な理解を目指している。「KEY WORDS」多元計算解剖学,ロボット手術,NOTES,ナビゲーション,microsurgery
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