特集 新型ウイルスの最新情報と対応
コロナウイルスの基礎ウイルス(遺伝子解析)
神谷 亘
1
1群馬大学大学院医学系研究科生体防御学分野教授
キーワード:
コロナウイルス
,
遺伝子
,
ウイルスRNA複製
,
非構造蛋白質
Keyword:
コロナウイルス
,
遺伝子
,
ウイルスRNA複製
,
非構造蛋白質
pp.9-13
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.01_0009-0013
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今世紀になってからわれわれは,3度のコロナウイルス感染症に遭遇している。1度目は2003年に中国を中心として発生した重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome:SARS)コロナウイルス1),2度目は2012年に中東を中心として発生している中東呼吸器症候群(Middle East respiratory syndrome:MERS)コロナウイルスである2)。そして,3度目が2019年に中国を中心に発生した新型肺炎coronavirus disease-19(COVID-19)であり,その病原体はSARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)である3)。COVID-19はその発生からほぼ1年が経過しようとしているが,いまだ収束の兆しはみえず,世界中に拡大しており,全世界で現在3,700万人の感染者と100万人を超える死者が報告されており,まさに今世紀最大のパンデミックである。さらに,各国で第2波,そして,次の第3波をどのようにコントロールするかが問題となっている。このコロナウイルスを制圧するには,治療薬やワクチンの開発が必要なのはいうまでもない。これらの開発のためには基礎ウイルス学的な科学的知見が必要である。本稿では,コロナウイルスの基礎ウイルス学的特徴を概説する。「KEY WORDS」コロナウイルス,遺伝子,ウイルスRNA複製,非構造蛋白質
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