特集 基礎と臨床から炎症性腸疾患を診る
高齢者炎症性腸疾患患者マネジメントにおける注意点:感染症? ステロイド使用? それとも?
穂苅 量太
1
1防衛医科大学校消化器内科 教授
キーワード:
サルコペニア
,
GNRI
,
感染症
,
心不全
,
ワクチン
Keyword:
サルコペニア
,
GNRI
,
感染症
,
心不全
,
ワクチン
pp.49-53
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.11_0049-0053
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発症に免疫が関与している炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)は,高齢化で免疫力が低下しているので軽症化するのではないかという印象を受ける。事実,IBDは若年者に好発する疾患である。しかし,発症後間もない潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)においては,高齢発症UCは若齢発症UCよりも重症であり,罹患範囲も広い。高齢者の内科的治療は感染症,担がん患者,成人病の併存などが一般的に問題になり,強力な免疫抑制療法が使いづらい局面にしばしば遭遇するが,高齢発症UCでは安全性を重視し薬剤を加減して使用することが必ずしもよい結果を生むとは限らない。一方で,緊急手術では術後合併症が多く,在院死の原因になることも報告されており,手術適応についても若齢発症者とは区別する必要がある。「KEY WORDS」サルコペニア,GNRI,感染症,心不全,ワクチン
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