Japanese
English
研究
血液透析患者におけるオーラルフレイルと栄養障害リスクならびにサルコペニアとの関係
Oral frailty and risk of nutritional disorders and sarcopenia in hemodialysis patients
礒山 悠
1
,
大山 恵子
1
,
横関 美枝子
1
,
永川 美佳
1
,
前田 真歩
1
,
諸見里 仁
2
,
大山 博司
2
,
藤森 新
2
ISOYAMA Haruka
1
,
OOYAMA Keiko
1
,
YOKOZEKI Mieko
1
,
NAGAKAWA Mika
1
,
MAEDA Maho
1
,
MOROMIZATO Hitoshi
2
,
OOYAMA Hiroshi
2
,
FUJIMORI Shin
2
1医療法人社団つばさ つばさクリニック
2医療法人社団つばさ 両国東口クリニック
キーワード:
オーラルフレイル
,
サルコペニア
,
GNRI
,
血液透析患者
,
栄養障害リスク
Keyword:
オーラルフレイル
,
サルコペニア
,
GNRI
,
血液透析患者
,
栄養障害リスク
pp.125-129
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000826
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はじめに
透析患者は高齢者が多く,導入前の食事制限による低栄養状態,身体活動量の低下,透析治療による筋蛋白異化などの影響で,骨格筋量と筋力が低下するサルコペニアや運動耐容能の低下から日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)を維持できなくなって要介護へと進むフレイルの合併が一般人と比べて高率である1)。このような透析患者に対してサルコペニア,フレイルの予防,改善を目的に多くの透析施設では独自に考案した運動療法に取り組んでいると思われるが,低栄養状態にある透析患者では,十分な栄養摂取がなされないと,運動だけではサルコペニアやフレイルを改善させることは難しい。近年,口腔機能の脆弱状態を表すオーラルフレイルという概念が提唱され,オーラルフレイルはサルコペニアやフレイルのリスク要因のみならず予後を規定する要因として認識されている2)。筆者らは当施設でオーラルフレイルの危険性について検討し,オーラルフレイルの危険性が高い透析患者では血清アルブミン値が低いことを報告した3)。今回,オーラルフレイルと栄養障害リスクとの関係をさらに明らかにする目的で,高齢者の栄養指標として評価されているgeriatric nutritional risk index(GNRI)4)を含む各種栄養指標を用いて再検討を行うとともに,サルコペニアについて各種栄養指標ならびにオーラルフレイルとの関係についても検討したので報告する。
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