特集 花粉症の基礎・臨床Overview
花粉症の皮膚症状とその治療
佐伯 秀久
1
1日本医科大学大学院皮膚粘膜病態学教授
キーワード:
スギ花粉皮膚炎
,
アトピー性皮膚炎
,
浮腫性紅斑
,
スギスクラッチパッチテスト
,
ステロイド外用
Keyword:
スギ花粉皮膚炎
,
アトピー性皮膚炎
,
浮腫性紅斑
,
スギスクラッチパッチテスト
,
ステロイド外用
pp.33-36
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.04_0033-0036
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花粉症は症候群であり,花粉抗原により全身のアレルギー反応が出現する1)。症状の主体はアレルギー性鼻炎・結膜炎であるが,気道,皮膚,全身症状などが出現する。大久保らは2006年花粉症シーズンにおける鼻眼以外の症状を街頭アンケートによって調査した1)。全体の200症例では,「口が乾く」,「皮膚がかゆい」が多く,男女差でみると女性では「皮膚がかゆい」が男性より多かった。また,花粉症の症状が重い群ではより女性に皮膚の痒みの症状が有意に多く認められた。以上より,花粉症では鼻眼以外に瘙痒などの皮膚症状も,特に女性に多くみられることが明らかになった。本稿ではスギ花粉皮膚炎を中心に,その概念,皮疹の特徴,臨床病型,検査,鑑別疾患,病態,治療について概説する。また,その他の花粉皮膚炎として,カモガヤ,ブタクサ,ヨモギによる花粉皮膚炎にも触れる。「KEY WORDS」スギ花粉皮膚炎,アトピー性皮膚炎,浮腫性紅斑,スギスクラッチパッチテスト,ステロイド外用
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