連載 Medical Scope
ACO(Asthma and COPD Overlap)の疾患概念と診療
藤田 幸男
1
1奈良県立医科大学内科学第二講座助教
pp.65-68
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.37.09_0065-0068
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
気管支喘息(以下,喘息),COPDは,閉塞性換気障害を呈する代表的な呼吸器疾患である。ともに,慢性の気道炎症を特徴とするが,喘息では好酸球主体,COPDでは好中球主体の気道炎症がみられることが多い。しかし,共通の臨床症状(咳,喘鳴,呼吸困難など)を認めることも多く,臨床の現場では,両者の鑑別が困難な症例も珍しくない。さらには,高い喫煙率や高齢化を背景に,喘息とCOPDのそれぞれの特徴を併せ持つ疾患であるACOにもしばしば遭遇する。ACOはそれぞれの疾患に比べて,症状が重篤化しやすいとの報告も多く,ACOを見逃さないことが必要である。そこで,本稿では,ACOの疾患概念やACOを診療するにあたり注意するべき点について概説する。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.