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主な小児リウマチ性疾患には、関節リウマチに相当する若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis:JIA)、腎臓、皮膚、呼吸器、中枢神経系に慢性炎症を起こす全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)、特有の皮疹と筋崩壊を起こす若年性皮膚筋炎(juvenile dermatomyositis:JDM)があります。わが国の有病率は、小児人口10万人あたり、JIAが8.79人、SLEが4.70人、JDMが1.74人と報告されています。今回は、最も有病率の高いJIAの食事のポイントを紹介します。JIAは16歳未満の子供に発症した6週間以上続く関節炎の総称です。その分類を表1に示します。治療は、関節の痛みや腫れに対しては非ステロイド抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)を使用します。全身型はステロイドが治療の中心ですが、最近では、難治例に抗IL-6受容体抗体のトシリズマブなどの生物学的製剤が有効であるとされています。関節型は抗リウマチ薬であるメトトレキサートが治療の中心で、関節炎重症例にはステロイドを併用します。全身型では約20%の人が寛解せず、再燃、再発を認め、成人期まで持ち越すことになるため、ステロイドの副作用や関節の機能障害が問題となることが多いです。関節型では、関節炎が悪化して関節破綻が進行すると、関節拘縮や脱臼・亜脱臼など、関節変形により日常生活が困難となります。成長期の子供では骨の成長に影響がでることもあります。関節炎が持続している場合には関節の保護が必要で、関節に負担のかかる運動や作業は控える必要があります。風邪や疲労、ストレスで悪化することがあるため、手洗いなどの感染対策を行い、十分な睡眠や規則正しい食事が大切です。
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