特集 心不全診療の現状と展望
特集にあたって
坂田 泰史
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学教授
pp.7-7
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.12_0007-0007
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日本はかつて世界でも類をみない超高齢社会に突入し,心血管疾患も死因の第二位を占め,増加の一途をたどっている。このような状況の中で,2018年3月に,全面改訂となった『急性・慢性心不全診療ガイドライン』が発表となった。このガイドラインは,従来のものと比し多くの特徴を有している。本特集は,このガイドラインにおける変更点・修正点をわかりやすく,そしてより深めていこうという目的で企画されたものである。新しいガイドラインの最大の特徴は,そのタイトルにある。つまり,急性心不全と慢性心不全を分ける概念を取っ払い,1つの概念としたことにある。これは,欧米のガイドラインで先行してきた概念であるが,心不全が全身の症候群であり,かつ各国の社会保障体制に左右される診療である以上,わが国のガイドラインでもその考えが取り入れられたことは重要なことだと考える。この概念を元に,10項目についてそれぞれの日本を代表する専門医に執筆を依頼した。
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